Faraday
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スピーカーいじりいじり大会

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4月8日の例会の報告。私(しらた)自身はシンポジウム出席と重なって欠席です。他の方からのメールの内容を総合する形で報告しますが、いつものようにいくかどうか。

さて、3月11日の例会の終わりころ、コイズミ無線の社長と「島田先生」なるオーディオ評論家の方が「スピーカー作ったんだけどいじってみる?」とFardayミーティング会場にお出ましになられました。そのスピーカーがこれ。条件は「外観に手を加えなければ何をしてもよい」ということでしたので、この島田先生のスピーカをオカズにいろいろと実験してみよう、というのが4月例会の課題となりました。このころパンヤ綿という綿を吸音財に使う実験が始まっていたので、ちょうどよく実験台がきたわけです。

さて、スピーカーについて。以下、他の方のメールの内容を引用しますが、誰の発言とは明示しませんのでご容赦ください。

Shimada Speaker オーディオアクセサリー誌で記載されたシステムと似ていますが、次の2点が違います。1. 容積が、雑誌の物では30リットルなのですが、これは25リットルです。2. バスレフダクトが1つですが、雑誌に記載された物は2個です。

さて、写真を見てお気付きになるかと思いますが、ダクトがエンクロージャ中心からずれています。したがってセッティングをすると、ダクトが内側に寄る場合と外側に離れる場合とに分かれます。実は4月のファラディ会合において、皆さんが集られる前に両方とも試して見ました。その結果、写真のように、ダクトが内側に寄るセッティングとなりました。この方がよりまとまった音になりました。

使用ユニットは、アルパイン社製DDDS7です。ユニットについての詳細は雑誌などを読んでください。

スピーカのスタンドには、コイズミの会場に常備してある木製の椅子を使用しています。他にもTAOC等、高価なスタンドも有るのですが、今まで良い結果が出たことがありません。その都度、この椅子を使用しております。音も悪くありません。なんだかなぁ? 尚、スピーカと椅子の間にはピュアストーン(だったっけ?)を前1個、後ろ2個挟んでいます。これがどのくらい効いているのかは、私は知りません。どなたか使用されている方、コメントをお願いします。

次の写真は、田中さんが作成した簡易発信機を使用した、簡単なインピーダンス測定の状況を写したものです。正確な測定をするのであれば、定電流出力アンプが必要なのですが、ここでは100Ωの固定抵抗器を使用してアンプの出力インピーダンスを上昇させて代用としています。これでも必要な情報は十分収集できます。

Shimada Speaker
Measurement

100Ωの抵抗器を通してスピーカに正弦波を入力し、端子の両端に発生する電圧を、テスターで測ります。スピーカは、周波数に対するインピーダンス変動によりうねります。このスピーカはバスレフ型なので、低域に2つの山が発生します。この山の上では、端子館に発生する電圧は大きくなり、逆に山の間にできる谷では電圧が(山に比べて)小さくなります。この周波数と電圧によって、おおよその動作状況を把握する事が出来ます。

田中さんから、この測定に関するレポートが上がってます。

「発振機には、10Hzの粗い目盛しかありませんでした。オシロを併用することを前提に作ったので。従って1-2Hzの違いは測定誤差の範囲です。吸音材無しの共振点100Hzというのは誤りでしょう。これを除けば、吸音効果は、吸音材無し<パンヤ綿<フエルトとなります。」

「今回の計測は、アンプとスピーカーの間に100Ωを直列に挿入して、各周波数でのスピーカーの端子電圧を測りました。1KHz の時、200mVになるようにキャリブレしました。完全な定電流源を使えばピーク値が正確に求まります。」とのこと。

ここに、データを掲載しちゃいます。うーん、この測定方法について、私(しらた)もきちんと手順を見ておけばよかった。

簡易低電流出力でリファレンス1KHz 0.2Vでスタート。

オリジナル(フェルト)
98Hz 430mV (最初の山)
62Hz 208mV
45Hz 349mV
吸音材無し
100Hz 403mV
65Hz 214mV
46Hz 361mV
パンヤ綿
100Hz 410mV
62Hz 215mV
46Hz 360mV

「なお、奥側に見える足が電源ケーブルを踏んでいる様に見えますが、かかとはちゃんと上がっています。皆さん、くれぐれもケーブルは踏まない様に。PA屋さん等の前でケーブルを踏んづけたりすると、怒鳴り飛ばされまっせ。」とのことです。皆さん気をつけましょうね。

さて、裏蓋を開け、改造に着手です。

Opening the Box
内部の吸音材の様子です。厚さ 1cm 程度の粗毛フェルトを、波打たせながらステップルで打ちつけてあります。

Opening the Box
これはこれで効果のある良い方法です。でも今回はこの吸音材を、現在ファラディにて試そうと思っているパンヤ綿に変更します。

Opening the Box
フェルトを打ちつけているステップルを外します。

ペンチで咥えて引張るか、マイナスドライバでこじて取ります。取った後には、細かいフェルトの屑が残っていましたので、掃除機にて取り除きます。

気のせいと言われればその通りなのですが、細かい埃状の屑も残っているよりは無い方が良いと考えています(キャビネット外側の汚れを取り去ると、音のハリが良くなりますので)。

Opening the Box
さて、いよいよパンヤ綿の登場です。

そのままでは埃状の綿が飛び散るのでガーゼで包みます。ここでは300mm×900mmのガーゼを2枚使用していますが、袋状に加工してガーゼ使用量を減らした方が良い結果が得られる事が判りました。

また、パンヤは押し込む様に入れるよりも「ふわっ」とさせた方が、音が明るくなる事も確認済みです。但し写真のシステムでは、まだそこまで対処していません (4/18現在)。

Opening the Box
ガーゼで包み上げたパンヤ綿です。外形寸法は、300mm×300mm×70mm 程度です。これを底板にセットしました (置いただけです)。

これ以外に、150mm×450mm×70mm 程度の物も作成し、側板の片面 (今回のセッティングでは内側になります) にステップルで固定しました。

Opening the Box
すわぁて、試聴です。

写真だとあっという間ですが、裏板を開けるところから1時間半程度経過しています。私は既に疲れていたので良く判りませんでしたが、良くなった部分はあるものの、今一つ冴えが感じられません。なんだかな。主に吸音材の処置が今一つ適切でなかった為と推測しています。次回 (5月の会合時) に対策しようと考えています。

尚、この改造時には、同時に数カ所の変更も行っています。

Opening the Box
いやあ、みなさんおつかれさまでした。ここまでがメインの「スピーカーいじりいじり大会」のレポートです。以下は3月例会の「小型アンプ聴き比べ大会」からの流れの小型アンプに関するレポートです。

IC Amp 田中さんのシリーズものです。上は「赤いきつね」下は「緑のたぬき」。よいネーミングセンスですよね。これくらいの遊び心がなくちゃ。あと田中さんのアンプはいつも塗装が綺麗なので感心させられます。

「両方とも、Philips製のTDA1552Qというカーステ用ステレオ・パワーICを使っています。最低必要な外付け部品はフイルムコン2個、それに入出力端子と、電源(12-18V片電源でOK)、あとは必要に応じてボリュームとポップノイズ防止回路を加えるだけ。」

「赤いきつね」は、またの名を「偽BOSE」(先月の例会の「BOSE 1705」を参照のこと)。外観を似せる為、3×10mmのアルミ棒を切ってケースに接着。本物より安くなければ偽物の名誉が保てない...というわけで製作費はペンキ代を入れても7000円程度。」

「赤いきつねは、トランス使用で、ツイン(左右独立)レギュレター付き。中央にトランス。それを挟んで整流回路とアンプ。アンプ部は極めてシンプルです。」

「緑のたぬきはスイッチング電源。尚、緑のたぬきは、ノートパソコン用ACアダプタを内蔵し、大きさ重量ともに約半分の新型が登場する予定です。」との田中さん談。楽しみですね。

IC Amp
実際、夏の合宿シーズンにむけて旅行に気楽に持っていける小さく軽い高音質アンプを作りたいなぁ、なんて思ってます。さて、次の作品。

「鈴木さんのCDトランスポートと、デジフィルレスDAC内蔵パワーアンプです。これは音が良かった。私は欲しいと思いましたね。」

「CDトランスポートに乗っかっているCDは、メアリーブラックの新しいアルバムです。私はこの人、好きなんです。たまんないっす。毎日聞いてます。声がきれいだし、メロディーはきれいだし、歌詞は切ないし、かつお風味のほんだし.....」との芦澤師匠談。

CDP and IC Amp
Suzuki IC Amp 上の鈴木さん作成DAC内蔵アンプの中です。

非常にシンプルなのが判りますね。左側に見える小さな基板がDAC部分。右上のボリュームを通って右下のアンプ用 IC (出力端子のすぐ近くです) に接続されています。尚、ICはPhilips製の物です。

松井さん製作のアンプです。レポートが上がってきてないので、コメントできません。レポート待ってます。

Matsui Amp
Zircon-Sand Filled Amp 多賀氏製作の小型アンプ。中身は、秋月の500円のPower ICキットであるとのことです。特徴は、振動の減衰を狙ってジルコンサンドを充填してあることらしいです。音に関するレポートが上がってきてないので、現場にいなかった私にはちょっとコメントできません。レポートまってます。


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