ファラディのメンバーである、ONCE A WEEK-東さんが、スンバラシイ、スピーカスタンドを考案されました。名付けて "The Less"! デビューは今年6月のマルミ追悼会。この時に、故人のスピーカであるGoodmanを乗せるスタンドとして活躍しました。今までファラディでは、スピーカスタンドとして、工房に有る木製の椅子を使用してきました。これは比較的ヤワな構造ながら、会場に常設してある、鉄製の某高額スタンドよりも常に良い結果を出してきたものです。とはいえ、やはり構造的な欠陥(早い話がぐらつく)から、音の腰が安定しきらないというジレンマを抱えていました。 「何とか、この血の通った音のまま、更にS/Nを上げ、音の構築をぐらつかせないスタンドはできない物か?」 これが私個人では有りますが、最近のテーマとなっておりました。一時は金属柱を使って「これだぁ!」というやつを作ろうかとも思ったのですが、どう計算しても高額(4〜5万)になってしまいます。それに、通常の形状でスタンドを作成すれば、天板とスピーカの底板に挟まれた空間(並行面ですから、盛大に共鳴するはずです)が気になります。自宅では、スタンドの天板の上にフェルトを敷いてある程度凌いでいます。しかし、最初からそんな対策が必要ない構造にできれば、それに越した事は有りません。そして、この並行面の問題は、スタンド底板と床の間にも当てはまります。そこで溜息をつくわけです… 「何とかならんかな…」 そんな事を考えていた6月上旬、東さんから電話がかかって来ました。 「スピーカスタンドを作ったのよー。なかなかのできだよー。でさー、今度のファラディの時に使えないかなァー?」(語尾が伸びるところが東さん流) 前記の通り、6月はマルミの追悼会です。アンプやスピーカでは困りますが、スタンドならばOKです。せっかく作られたものですから、是非とも活用したいところです。そして、構造の説明をして頂きました。構造は写真に任せますが、どうやら前記した私の抱えている悩みを解消してくれそうです。電話を終えた私は受話器を置いて… (これはひょっとするとかなりいけるのでは…)
「東さん、早く来ないかな…」 メンバーが集り始め「さぁ、ぼちぼち始めようか」という頃、東さんご到着!早速スタンドを見せてもらいます。 「おおぉ!これだ!この構造だ!」別に実際に声を出したわけではありませんがネ。 しかし、これって割りとぐらつくんじゃないのかな?試しに手にとって力を入れてみると…おお!固い!バッチリじゃあございませんか!天板と底板無しでこの剛性を確保するとは。ちなみにThe Lessの名前の由来は、この天板及び底板が無いことから来ているとの事。更に支柱は円柱ですから、この部分での妙な回折は避けられます。うむ、これはイケそう。しかし先を越されたなァ。 スタンドを椅子から東さんの物に取り替えます。で、音出し。 うん。これは良い。変更前に比べてずっと音に開放感があります。やはり底板と天板がないメリットなのでしょうか (ここで音質と構造の関係を決定付けてしまうのは危険です。それにいきなり断定してしまうほど私は阿呆ではありません) ? そして懸案だった音の構築感も問題無いレベルです。問題無いどころか、相当なレベルです。更に材質が木である為なのでしょうか?質感も自然な感触です。ついでですが、工房の環境では、今までの椅子ではスタンドとしての高さが低すぎました。これに変更する事により(高さは5cm刻みで変更可能との事)、良い感じのセッティングになりました。まぁ、今現在の高さがベストかどうかは判りませんが、今までよりはずっと良い事は確かです。一緒に聴いていたメンバーも良い評価をしています。いいなぁーこれ。俺も欲しい。 聞けば全て東急ハンズで揃えた物との事。金額もあきれるほどリーズナブルです。東さんのExcelファイルを参照してください。コイズミさんでも扱ってくれないかな。 「ヨかったなぁー俺。先走りしてバカ高いものを作らなくて…」 このスタンドは既に島田先生が使用されています。私は時間の問題で、いずれ近い内にこれに変更します。工房にも常設されています。これからのファラディでは標準スタンドとして使用するつもりです。変な物を貼られない事を祈ります。 さて、今年の追悼会は、ただ聴くだけではなく、色々弄くりながら「あーでもない、こーでもない」と楽しみながら過ごしました。その中で、スピーカスタンドの使用方法について若干判ったことがあります。それを記しておきます。 1. 足は前1点後2点のセッティングと、その逆(前2点後1点)のセッティングができます。両方試した結果、今回は前者を選びました。以降はこの条件に基づく記述です。 2. 三ヶ所に有る横に渡す板ですが、一番上の板はスピーカ奥側にすると最も音場感が広がりました。 3. 気のせいといえばそれまででしょうが、左右対象に組上げたいところですね。 4. 上から2番目の横渡しの板は、内側に来るのが良かったような… 5. 今回は行ないませんでしたが、それぞれのパーツの上下方向を揃えると良さそうですね。大工さんが云うところの「逆さ柱」を避ける訳です。 6. 下側にのみピュアストーンのスノウを、突起部分を上にして、プラスチックの足を外した部分(ネジが有る)に当てました。 これらは、今回行なった処置の中ではとりあえず良い結果が得られたというものです。いつでも何処でも同様の結果になるとは限らない事をご了承下さい。 しかし、先を越されたのは悔しいなァ。東さん、マイッタ。
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