Communications of Faraday!

*改造日記 /Jun 29, 2000


手段(改造)の為なら目的(機器)を選ばない、虚弱体質の武闘派、芦澤です。

この文章は、白田氏とのメールのやり取りに記録された私の改造記録です。お手軽原稿だけど読んでみて下さいな。尚、文章の順番は時系列です。


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CD46の筐体を補強しました。と言っても天板だけだけどね。補強方法は、225×300mmのアルミ板と銅板厚さ2mmをそれぞれ1枚ずつと、100×200mm、厚さ5mmのアルミ板を、天板にM3のネジとナットで固定すると言う物です。225mm幅の板は、金鋸で幅200mmに詰めました(長さ300mmのアルミ板と銅板は重ねました)。皆さんが行われるのであれば、最初から200×400mmのアルミ板(厚さ5mm程度)を使われるのがよろしいかと思います。
さて、その効果ですが……
余分な音の響きが無くなって、重心が下がったと言う感じです。少なくとも私には良くなったと感じられます。前よりもボリュームを上げられるようになりました。
さあ、後は底板だ。200×400mmのアルミ板(厚みは5〜10mm)をおいてある店があると良いのだけれど。


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CD46の底板を補強しました。使用材料は、エスエス無線で販売している、400×200mm t=3mmのアルミ板です。更に、ACインレットコネクタも追加しました。もともと付いていたトランスはインレットから直接給電し、追加したトランスは、ヒューズを通して給電しました。これで安心。今までは追加したトランスの一次側には、何も入ってなかったからなぁ。
さて、その結果ですが、最初に音を出した瞬間、「しまったぁー!やるんじゃなかったぁー!」と思うほど低音の無い音でした。15分ほどがっかりしながら音出しをしていると、ふと白田氏御推薦の消磁器を使用することを思いつきました。天板、底板、側板、裏板を念入りに消磁(というよりも、加振)して、さぁ、再度挑戦だ!
一曲目の出だしの一音を聴いて、「おおっ!良い!良いではないかっ!!!」と思わずガッツポーズ。重心が下がり、解像度が向上したと感じました。
但し先日のファラディで、田中氏のCDPと比較したときの“プラスチックっぽさ”は、減少したものの依然残っています。次は水晶振動子周りに手を加えてみようと考えています。


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三栄無線キットKT88SSアンプを弄くりました。内容は………
1.ATTを、東京コスモス製20Kオーム/Aカーブ2連から、12接点ロータリースイッチ+固定抵抗器による自作ATT(20Kオーム)に変更。
2.ATTから初段への配線をシールド線から6NOFC径0.8mm+テフロンチューブに変更。
3.内部配線に無理をしたところがあったので、そのやり直し。
の三つです。結果ですが、やはり最初に出た音は冴えませんでした(改造前に出ていたふくよかさの無い音でした)。やはり白田方式による強制加震を行ったところ、音がほぐれてきて良さが出てきました。現在状況を見ています。
また、昨夜はエージングを進めるためにスピーカを接続せずにボリュームを上げてCDをリピートさせたところ、何と球から音が聞こえるでは有りませんか。今まで石のアンプでは経験がありましたが、球でも音が出るとは、、、、まぁ不思議でもなんでもない気がしますが。この音を無理に抑えこもうとすると響きが死んでしまうんだろうなぁ。これはそのままにしておくつもりです。
あと、ATTの抵抗値はもう少し大きい方が良いようです。近いうちに33Kオーム程度のATTを作成して交換するつもりです。


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そう言えば、次の対策もしたんだっけ。
4.自己バイアス用抵抗器を、キット付属のものからDALE製の物に変更した。
5.自己バイアス用電解コンデンサ220uF/50vを、キット付属のものから日通工製の物に変更した。
6.もう1種類の電解コンデンサ100uF/100vをニチコン製ミューズ(外装フィルムが緑色のやつ)に変更した。
7.変更した5.と6.の電解コンデンサの被服を剥き、アルミキャップのくびれ部分に、錫メッキ線を捲いてこれを電解コンデンサ−側端子と接続した。
7について、追加説明すると………
キット付属のコンデンサは、リード線が両側出しタイプである為、アルミの外装は−側端子と接続されています。ところが、抵抗器や真空管の熱で劣化が懸念される為に耐熱性が高いタイプや、音質対策品に変更することにすると、リード線が同一方向に出してあるタイプしかありません。このタイプの外装は、内部電極やリード線とは接続されていません。コンデンサの電極の周りにフローティングされた金属物が有るのは好ましい事ではありませんね。
そこで、上記の対策を施しました。この処置を行うことにより、S/N感の向上、フォルテで音が崩れない、ピアニシモでの気配が伝わり易くなる、音の骨格が出る等、良いことずくめの結果となります。
但し、全ての電解コンデンサに出来るかと言えば、応えはNOです。この対策が出来るのは、アルミキャップ上面に防爆用のスリットが入ったタイプのみです。したがって外装が小さい電解コンデンサには、スリットがない為、我慢するしかありません。もっとも、この対策をしなくても良い音を出しているアンプはたくさん有りますので、こういったことをせずに音質を向上させるのが筋だとは思うのですが…….
信頼性の上でも、部品に手を加えるよりは、そのまま使った方が良いことは言うまでも有りません。
いずれにしてもやってしまったことですので、とりあえず1週間ほど様子を見てみます。


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三栄無線KT88SSに追加改造を行いました。入力ATT(12接点ロータリースイッチを使用したもの)のインピーダンスを、20Kから33Kに変更しました。どうやらこちらの方が、音がよりほぐれて良い按配です。また、アンプのゲインが低い為、-60dBといった減衰は必要なくなり、3〜4dBステップで最高減衰率は-39dBのATT定数に変えました(従来は5〜7dBステップ)。今までは使いにくかったもんなぁー。
さてさて、昨日一日かけて、プリアンプを1台作成しました。基板は元々作ってあった為、昨日中に音出しが出来ました。ナショナルセミコンダクタ社製FET入力無帰還バッファの、LH-0033CGを使用した物です。このICは、通常のシリコンチップ上に回路を作成したICとは違い、ハイブリッドICなんだそうです。ICと言うよりはディスクリートに近い構成です。
そのプリアンプの構成について書きます。
1.セレクタは有りません。入力は東京コスモス製20KオームAカーブ、径30mmで受け、まずレベル調整を行います。(ATTは後日、東京コスモス製10KオームAカーブ、径24mmに変更しました)
2.ボリュームの出力からは、ASC製0.47uF/400Vのポリプロピレンコンデンサと、1Mオームのプルダウン抵抗器でDCをカットした上でLH-0033CGに入力します。このカットオフ周波数は、0.34Hzです。プルダウン抵抗器が大きい値に出来るのはFET入力だからです。バイポーラ入力の場合は、回路に工夫をしないとこんなに大きな値には出来ません。今までの経験では、このプルダウン抵抗器は大きな値の方が良い結果が得られるようです。これはあくまでも仮説ですが、ATTの中点(端子が1,2,3とあったら、2の端子です)には電流を流さない方が良いのでしょうか?(後日、このコンデンサを外し、ダイレクトに接続しました。当然ではありますが、無い方が良い結果が得られました)
3.LH-0033CGから出力された信号は120オームの保護抵抗器を通して出力端子に接続されます。
4.電源はシンコー製のEI型を使用。
5.整流はショットキーバリアダイオードによる半波整流(!)。
6.平滑コンデンサは日通工製100uF/35V(!)を方チャンネル当り2個(+に1個と−に1個)
7.レギュレータは、ツェナーダイオードとトランジスタのエミッタフォロワによる無帰還方式です。
8.配線材は径0.8mmの6NOFCにテフロンチューブをかぶせた物を使用しました。
9.ケースはタカチのダイキャスト品で、安いタイプの物です。
さて肝心の音ですが、例によって良く判りません。悪くは無いようです(このプリを通すことによって低音が出るようになることは確認しました)。
土曜日に鈴木氏が来ました。とある所で手に入れた、径0.5mmの銅単線のケーブルを持って来たので音を聴いて見たところ、なかなか良さそうな感触です。多めに手に入るようなのでいろいろ弄くってみようかと思っています。
またそのとき、BOSEのアンプを買ったと言って、1705Mk2を持ってきました。さっそく中を開けてみたところ、なんと使用しているICがSANYO製ではありません。Mk2化して、コストダウンしたようです。SANYOのICの音を聴くのであれば、オリジナルモデルを手に入れる必要があります。但し1705Mk2の音を聴いたわけでは有りません。これはこれで良いかもしれないけどね。いずれにしても私はSANYO製ICの音が好きなので、自分で手に入れるのであればオリジナルモデルです。


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さて、年末29日に、また鈴木氏が遊びに来てくれました。BOSEの改造の為です(私が頼んで改造させてもらう事になりました)。29日夕方にとりあえず組上げたのですが、何とまともに動作しておりません。入力端子が付いている基板を丸ごと外したのですが、その中にICをマウントしているメイン基板に入りきらなかった素子が実装されていたのです(回路図まで作成しておきながら何という不手際!)。1月2日に実家から帰ってきて同日中に再トライしました。その結果めでたく無事に作動する事と相成りました。
さてその音ですが、、、、まぁいい方ですけど1705(オリジナルモデル)ほどの魅力は感じられませんでした。勿論同一比較したわけではないので断定は出来ませんけどね。ビシェイやアルファの薄膜抵抗をこれでもか!とばかりにぶち込んだのですがね。
1月2日には、兄も私のアパートに来ました。いろんなアンプを比べたのですが、球が一番良いと言っていました。一番馴染むそうです。やはり球でないと出せない部分が有るのだろうか?
そして3日に鈴木氏がBOSEのアンプを受け取りに来ました。正月中に作ったプリアンプを携えてです。このアンプは以前白田氏が挑戦して玉砕した方法で組上げた物です。ICもOPA627AM(メタルCANパッケージ)です。ところがこれがまともに動作していません。私が組みなおしてみましたがICが破壊されている事が判明致しました。なんでこんなに壊れるのだろう。いずれ私自身が挑戦して見なければなるめぇよと思っています。
その後は、前回のファラディのときに持って行ったプリアンプのブラッシュアップを行いました。内部配線を6NOFC径0.8mm+テフロンチューブから径0.4mmの電話線に交換しました。変更前のケーブルは約1ヶ月間のエージングを済ませているので、これで電話線の方が良かったら結論は明白です。さぁ、作業を終えて試聴です。音が出た一瞬で、電話線の優位性が明らかとなりました。音の彫りが深くてフットワークが良く、低音から高音までの透明度も上です。プリアンプ内配線材を電話線に交換する事をお薦めします(但しAC100Vに使用してはいけませんよ)。今考えている理由は、アンプ内部の配線をする為にケーブルを曲げるときに、線径が小さい方が導体に加わるストレスが少なくて済むと言う事です。あくまで推測ですけどね。それにしても6NOFC径0.8mm+テフロンチューブはラインケーブルには良かったんだけどねぇ。
作業を一通り終えたあと、パストラルシンフォニーの福田氏が、貸し出していたDAC(ノンオーバーサンプリング方式の物)の返却に来ました。その時、何種類かのアンプの聴き比べを行いましたが、修正したばかりのプリと、球アンプ(KT88SS改)の組合せが一番良いのだそうです。鈴木氏や私も同意見なのですが、福田氏は音楽家らしく和音の響き方について的確に定量化して表現します。こういう人がいると便利だなぁと思いましたよ。彼は修正したばかりのプリアンプを持っていきました。彼の自宅での評価を頼みました。結論は後で記します。
福田氏が帰った後、鈴木氏とアパートで酒盛りを始めました。盛あがっていてふと気が付くと終電が終わっています。彼は私のアパートに泊まって行く事となりました。
さて翌日(昨日の事だよ)、朝10時ごろ福田氏からプリアンプについての電話がありました。奥さんと2人で聴いた結果、音が甘くなる傾向があるとのこと。荒っぽい音や刺激的な音まで丸くなり、それはそれで良いのだろうけど、面白みに欠ける部分が有ると言う事でした。うーん....なるほどねぇ。よーし見てろぉー。
シャーシと基板の加工が終わっている新しいプリアンプの作成に取りかかりました(我ながらようやるわい)。シャーシのコンストラクションは、先日作成した小型パワーアンプと同一です。トランスはパワーと同じ物を使用しました。使用ICはナショナルセミコンダクターのバイポーラ型無帰還バッファーです。午後2時頃最初の音出しを行いました。かなり良さそうです。その後鈴木氏と2人で聴きながらいろいろと音詰めを行いました。些細な事で音が大きく変化する事に彼も驚いていたようです。5時頃鈴木氏が帰った後も9時頃まで細かい調整を繰り返しました。けっこうすごい音がしていると思います。フォスターの8cmフルレンジから、ちゃんと低音が出ています。アンプの特性はフラットなんだけどねぇ。
こうして私のミレニアム休暇はオーディオ一色で明け暮れました。


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土日を使って、摘田氏向けTASCAM PA-20Mk2の追加改造と、懸案だったCD-46の修理を行いました。
まず、TASCAMから、
1.入力のダンパー抵抗器に、アルファの超精密抵抗器(1個1万円くらい)4個を投入。それに伴い、入力のハイカットフィルター用コンデンサを削除。
2.その他の抵抗器を念の為新品に交換。
3.出力位相補正用のCとRを、リレー後段から前段に移設。
4.整流を全波整流から半波整流に変更。
5.出力ターミナルのネジをすべてプラスチック製に変更。
6.GAINを31.6dBから30.7dBに落した(オリジナルは35.0DB)SANYOのICは、GAINを落した方が音に温度感が出るようです。
ってなところです。こんな所でしょう(今現在では、これ以上は手立てがありません)。音も以前よりずっと良いし、通電検査でも安定に動作しているし。
次にCD-46
基本的に以前と同じですが、若干変えたところがあります。それは、
1.出力のカップリングコンデンサに、OSコンを使用。前回チェックしたとき、良い結果が得られていたのですが、その後日通工に変更し、面倒くさくて元に(OSコンに)戻していなかったものです。
2.出力保護抵抗器に、PA-20Mk2と同じく、アルファの超精密抵抗器を使用。これでこの抵抗器の手持ちは無くなってしまいました。もう手に入れる事は出来ません。
3.トランスポートと基板を固定するネジに、ポリカーボネイトのものを使用。
ってなところです。OSコンはエージングに非常に時間がかかる為、現在エージング中です。3日ぐらい経ったところでようやく本来の音となります。それまではがまんがまん。尚、OSコンは、直流バイアスがかかるところにしか使用できません。詳細はMJの99年10月号(だったかな?)に載っていますので、参考にされると良いでしょう。
あぁー、ほっとした.......


-8-
さて、昨日はATT-BOXを作りました。使用ボリュームはとりあえず4種類。作った後聴いてみたけれど、私の試聴は1個当たり数秒で終わってしまうんですよ。接続換えも含めて6・7分程度で完了してしまいました。料理を4時間かけて作って、あっという間に食べ終わってしまうようなもんです。でも、私の場合、ずぅーっと聴いているとかえって判らなくなってしまうのです。
さて、その結果ですが、非常に興味深い事となりました。どれが良かったとはここでは書きませんが、パッシブのATT-BOXで良い結果が出るものと、プリアンプに組み込んで良い結果が出るものは違うという、実にいやらしい結果が出ました。うーーーーーん....難しい……..


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CD-46の追加改造を行いました。対策箇所は次の通り。
1.空きパターンを全てGNDに接続する。これはアナログ部もデジタル部もです。
2.デジタルフィルターからDACに行く途中に挿入されている220Ωの抵抗器3本をフィリップス製に変更する。
3.水晶発信機周辺の抵抗器を、金属皮膜に変更。更にGNDパターンの強化。
4.足をゴム製の物4個から、プラスチック製3個に変更
と、まぁこんな所です。結果、聴感上のノイズフロアが下がり、より多くの情報が聴き取れるようになりました。演奏者のバックで、他の人達が何をしているのかが以前より判りやすくなりました。
プリも電源トランス固定方法を変更しました。今までは電源トランスをシャーシに固定する際、金属のワッシャを挟んでリジットに固定していました。これを、プラスチックの絶縁ワッシャとポリカーボネイトのワッシャで比較的柔らかく取りつける方法に変更しました。尚、ネジは金属のままで、トランスのフレームは線材でシャーシと接続しています。これにより音量を上げた時の混濁感が減りました。小音量時も良いようです。但しこれは電源一体型のプリでしか効果が無いと思いますが。
電源ケーブルにネオプレンゴム被服の耐熱電線を使用してみましたが、マルミ推薦のコタツケーブルに比べて音の出方にぎこちなさが感じられます。そこで、これを引き裂き反時計方向によじるという、かつての私では決して行わなかった処置を施して見ました。さて、その結果ですが、、、、 うーん.......良くなってる。音が楽しい。
チェロのエチュードというパッシブのアッテネータに、フォノイコライザとラインアンプを組み込むという作業を行いました。以前からやってはいたのですが、トランスの漏れ磁束によりハムが出ており、そのままでは使い物にならなかったのです。今回、新しいトランスが手に入ったので作業を再開しました。昨日は、トランスの取りつけ穴加工とその部分の配線。及びATTの修理(!)を行いました。チェロのATTは、1dBステップの59接点という大変な代物なのですが、信頼性に欠けるのです。10年前に知人が購入したプリ(オーディオスイート、モジュール形式の物で価格は当時300万円程度)は、ガリというか、バリというか、とにかくATTを廻すととんでもないノイズが発生します。これじゃぁちょっとね。そこでATTを分解し、各部のクリーニングと組みなおしを施しました。その他の部分はまだまだなのであと1ヶ月ほどは音だしまで漕ぎつけられそうにありません。
10cmフルレンジ使用の球形スピーカですが、振動版の表面にシリコンゴムを塗付して見ました。まだ硬化していないので、正式に試聴しておりません。今夜確かめて見ます。駄目だったとしても1本1600円のユニットだもん。さして痛くないもんね。
それから、コンセントの化粧プレートを外してみる事をお薦めします。音の出方が軽くなるよ。


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先日、10cmフルレンジの振動板に、シリコンゴムを塗付した結果を報告します。
塗付してから数日経過しましたので、完全に硬化した状態だと思っています。さて、その音質の変化ですが、バランスは随分と改善されております。以前よりも中高音の出っ張りが押えられ、帯域バランス上の重心が低い帯域に移動しております。私の作ったシステムでは良い方向に変化した様です。但し、標準の箱に収めたシステムではどの様になるかは確かめておりませんので、普遍性の有る処理であるとはとても言いきれません。でも、私はこのシステムに関しては、処理をして正解だったと思っております。
試聴後、先日インターネプコンという、プリント基板関連の総合展示会でサンプル入手した、塗付型静電防止剤を硬化したシリコンゴム上に塗ってみました。
良い。良いではないか!何故なのだろう?ずっと解像力が上がって、音が団子にならなく、しかも温度感も損なわれていない(冷たくならない)。推測できる理由は有る事はあるのですが、それにしても不思議だ。でも、この類のアクセサリは慎重に使用しなければ危険です。もうちょっと様子を見てみる事にします。


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昨日は、かねてから作業中だった、チェロに、フォノイコライザを組み込む作業を完了させました。誘導ハムをようやく抑える事が出来ました。それでも、GND処理は10回程度変更しましたけどね。片側ベタGNDの基板上で、入力のGNDを接続する位置を1.5cmずらしただけで、ハムが出たり引っ込んだりするんでっせ。恐ろしいよね。現在エージング中(信号系のエージングはLINEのみ)です。若干、腰高なイメージですが、まぁ、何とかなるでしょう。(後日、逆RIAA特性のイコライザを作成し、フォノイコを通した音出しを行いました)
CD46の改造が一区切りつきました。今回の処理内容はちょっと秘密。簡易型(VISHAYをほとんど使わないタイプ)としては上々でしょう。低音がすげぇぞぉ。


-12-
さて、この週末で2つのアクションをとりました。
まず土曜日。
持っていたクォードのパワーアンプ、405Mk2を追加改造しました。以前は、オペアンプをTI(テキサスインスツルメンツのこと)製から、BB製OPA627APに変更し、内部配線を変更した程度でした。但し、電源を切るとき、一瞬だけですが発振してしまっていたのです。今回はその対策と、受動部品(CやR)の変更です。更に、電源のGNDが、シャーシを通して基板に接続されているのですが、肝心のネジが鉄製だった為、これを真鍮製に変更しました。このネジを通してシャーシから基板にGNDは接続されているのです。午前11時頃に作業を開始して、終了したのが夜の9時ごろでした。動作確認をしたところ、前述の発振も起きません。まずまずです。それから、オリジナル配線ではハム防止の為、GNDに10オームの抵抗器が挿入されていました。今回、これは必要ないと判断し、これを外してショートしました。自分でやってみようという人はおそらくいないと思いますが、まぁ、念の為記述しておきます。さて、肝心の音ですが、うーん.....良いと思うぞ。以前には不足を感じていた温度感があって、低音もより出るようになりました(当たり前ですが特性はフラットですよ)。
次に日曜日。
免許証の書き換えに府中に行った後、国立のオーディオユニオンに、ふらっとよったところ、パイオニアのA-UK3Mk2を見つけました。値段を見ると1万6千円程度。衝動買いです。アパートに持ち帰り、掃除をした後に音出しをしました。けっこう行けます。元々余分な機能が付いていない分(なんせ付いている機能は、パワースイッチ、入力セレクタ、REC-OUTセレクタ、ボリュームだけです。あとフォノイコも付いていますが)、音も素直ですし、改造も楽そうです。見るとセメント抵抗器が使われています。まずはこのあたりから..
女は反省しない生き物だと聞いた事がありますが、男は懲りない生き物なのでしょう。


-13-
さて、日曜日にパイオニア製A-UK3Mk2に手を入れました。改造ポイントは、
1.出力段のセメント抵抗器を、DALEに変更
2.出力位相補正のCとRを、スフェルニースとWIMAに変更
3.電圧増幅段のICを、JRC製2114から、NS製LM833に変更
4.IC用電源デカップリング用コンデンサを、電解コンからフィルムに変え、ICに直付け
5.入力部のフィルターコンデンサを、電解コンとセラミックコンデンサから、フィルムコンとマイカコンに変更
6.電源整流用ダイオードを、ショットキーバリアダイオードに変更
7.IC用電源レギュレータに使用しているツェナーダイオードのデカップリングコンデンサを、電解コンからOSコンに変更
8.入力部のダンパー用抵抗器を、フィリップスに変更
他にもやったけどとりあえずこんなところかな?
UK3は、基板半田面側が大きく開くので改造が楽です。従って手を加える都度、変化を確かめながら作業を進めました。その度、音は変化するわけですが、私好みの音になっていく反面、従来あったおおらかさみたいな良さはだんだん薄れて行きます。結論は、「必ずしも手を入れたほうが良くなるとは限らない」ということです。パターンや部品配置を見ていると、何故こんな処理をしているのだろうと首をかしげるような部分も有るのですが(コストはむしろ上昇する処理です)、その辺りが秘訣なのでしょう。
うーん。難しいもんだ。

(芦澤)

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