インターネット利用に関する施策について インターネットには、多くの有益な側面と共に有害な側面もあると考えられます。都民のインターネットの利用に対してはどういった政策を重視する必要があると思いますか? 最も近いものをお選びください。 情報リテラシー教育を進めて、利用者の問題対処能力を高める。 選択理由 情報の意味や価値は客観的に存在するものではなく、受け手の置かれた状況によって変動するのであるから、本人以外の第三者が情報の有益・有害を判断し決定することは難しいと考える。したがって、第三者である都が行う政策としては、当然に利用者の能力を高める支援活動以外にありえない。ICTを社会生活のあらゆる場面で全面的に活用する政策を前提にすれば、リテラシーは社会生活における基本的教養ということになるので、問題への対処という視点ではなく、将来の人材育成という観点から、情報リテラシーの向上に努めたい。 青少年が利用するインターネット端末に対する施策について 現在携帯電話だけでなく、携帯ゲーム機やテレビ、音楽プレーヤーなど、様々な機器でインターネットのアクセスが可能になっています。これらの機器を青少年が利用するにあたり、どのような施策が必要と考えますか? 最も近いものをお選びください。 各家庭へのネットリテラシー教育支援で対応すべきである。 選択理由 仮に端末機器に規制をかけたところで、条例の効力は小さいだろう。都独自に規制をかけたところで、都外から機器も迂回ソフトウェアも入ってくるだろう。青少年に技術的制約を迂回する技術的訓練をするつもりなら別だが、端末への規制は意味がないものと考える。青少年のインターネットへの接続そのものには何らの問題もない。むしろネットの利用はこれからの必須リテラシーである。また、どの種類・程度の情報を児童に与えるかの決定は、家庭のプライバシーの問題であると考える。青少年の成長にもっとも利害と関心をもち、もっとも効果的にその善導をできるだろう両親が、最善とおもわれるインターネット利用法の指導を可能とできるような支援を都が行うのが適切と考える。 SNSサイト等を巡るトラブルについて 携帯電話やインターネットが普及したことで、SNSなどのコミュニケーションサービスが新しいライフスタイルや価値を生み出している一方、青少年を中心にトラブルに巻き込まれる事例も増えています。東京都としてどのような施策が必要と考えますか? 最も近いものをお選びください。 幾つかのウェブサイトの利用には、新たな制限が必要である。 選択理由 ウェブ事業者に事前規制をかける必要はないと考えるが、都は既存および新規のウェブサービスについて常に関心をもち、トラブルの事例について収集分析を行う組織を設けたい。新規のサービスについては、青少年はもとより大人も事業者も、おもわぬ問題に直面するものであり、個々の利用者の自助努力では対応しきれない要素が多い。こうしたとき、都は専門家の知識を仰ぎながら可能な限り迅速に情報提供し、また問題解決の支援を行いたいと考える。場合によっては条例による規制が必要になる事案はありうるので、上記の選択肢となった。 ゲーム・漫画・アニメ等の規制について ゲームの規制について ゲームには、教育効果が期待される場面もある一方で、青少年に有害な影響を与えており、規制を強化すべきであるという意見があります。東京都としてどのように取り組むことが望ましいと思いますか。最も近いものをお選びください。 ゲームの影響を科学的に判断するために、さらなる調査が必要である。 選択理由 個人的には、現在のゲーム市場の状況は好ましくないと考えている。しかし、青少年に及ぼされているという有害な影響が具体的に指摘されなければ、適切な対処法を採用することもできない。さらにいえば、本来、自分たちの身近な社会で人とかかわりながら成長するだろう青少年が、これほどまでにゲームに没入することには、ゲームそれ自体の魅力とは別の理由があると考えている。個人的には、青少年に及ぼされている現実社会の有害な影響がその一つの理由であると推測している。上記のような認識であるので、まずゲームの影響についての十分な検討をすることが先決と考える。 青少年育成条例での漫画・アニメへの規制について 平成23年に、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が改正・施行され、漫画やアニメに対する表現規制が強化されました。この改正の内容や、議論のプロセスは妥当であったと考えますか。また、今後改正するとすれば、表現の自由と青少年保護のバランスは、どのような方向性であるべきと考えますか。 妥当ではなかった 理由 表現規制に関しては、過去二回のコミケでの「ロージナ茶会誌」で論文を掲載しており、来たる冬のコミケでも「性表現規制の文化史」として掲載する予定であるので、詳しくはそちらを参照してもらいたい。ここで簡単に見解を述べるならば、ある信条をもつ人々が、公権力を用いて、その信条から望ましくないと判断される情報を抑制しようと図ることは望ましくない。 青少年が性に関心を持つことは極めて自然なことであり、抑制は不可能であり、そしてその抑制を徹底しようとすることはさらに事態を複雑な問題につなげていくと考えている。懸念すべきは、その表現の一部には、人権や人間の尊厳を著しく棄損する傾向があることと考えている。ただ、この点についても多くの研究者の見解は分裂しており、現段階で具体的な方針を定めることは難しいと考える。上記のゲームとあわせて検討する場を設定したい。 今後 上記のように、マンガ・ゲーム・アニメについて、青少年に与える影響についての実証的な検討の場を設け、庁内だけでなく広く議論をすすめていく過程そのものが、青少年のみならず、すべての人にとって実践的な情報リテラシー教育になると考える。それゆえ、都はそうした場を設定し運営することを全面的に支援していきたい。 ゲームや漫画、アニメ等に対する内容・表現の規制は、青少年へ悪影響があるから、一定の規制が必要だという意見がある一方、販売時のゾーニングや業界団体のレーティングが機能しており、国や自治体が立ち入るべきでないという意見があります。この点についてはどうお考えでしょうか? 最も近いものをお選びください。 自治体レベルで、地域の実情にあわせた販売規制を導入すべきである。 個々の企業や業界団体と連携し、民間の自主的な取り組みを支援するに留めるべきである。 本来、個人や家庭の問題であり、行政はあくまでこれらのサポートに徹するべきである。 選択理由 上記三つを選択した。これはすべてが連動しているからだ。販売業者は思想信条を青少年に与えることを目的にしているのではなく、商取引として青少年に問題があるとされる情報を販売している。彼らにしても自らの商品が社会的に害悪があると非難されることは望んでいないだろう。とすれば、経営上彼らの利益が最大化するような規制枠組みを設定すれば、自ずから販売を抑制するものと考える。また上記でも述べたように、情報の内容に関する善悪良否は、本人の判断に任せるほかないので、問題とされているような情報内容の流通についての理解しやすい仕組みを設けることで、本人の自主的判断で選択しやすい市場作りの支援をしたいと考える。 都政におけるICT利活用について 都民の声を政策に反映させるために、パブリックコメントや都政モニター、ホームページからの「都民の声」募集などといった取り組みが行われていますが、もし不足があるとしたら、どういった新しい施策が必要と考えますか? 最も近いものをお選びください。 選択理由 いずれも選ばなかった。というのは、いずれも私の政策からは不足した内容だからだ。私の政策は、ICTの全面導入による都庁そのものの仮想化分散化である。可能な限りすべての行政事務をオンライン化することで、都民・利用者、関係者、都庁職員のすべてが端末からすべての作業を完了できる環境づくりを、私のもっとも重要な政策と考えている。 もちろん、都知事の周辺、都議会も全面的にオンライン化し、都民の広範な視線の下に置くことを目標としている。 国会のネット中継や放送のアーカイブ等、従来メディアだけでなくICTを利用した行政の情報発信が盛んに行われるようになってきています。これらの取り組みを都政で推進すべきだとお考えですか? 最も近いものをお選びください。 ニコニコ動画やUstreamなど、民間のサービスを活用した方策を取り入れたい。 選択理由 上記の私の政策を遂行するにあたって、民間サービスの広範な導入と支援を行いたいと考えている。都が民間サービスに関与していく中で、都と民間サービスの連絡を密にし、大手利用者の立場から、都が望ましいと考える方針が、民間サービスにも自ずと採用されていくことを期待している。 平成23年の東日本大震災では、メディアだけでなく、政府や地方自治体がTwitterアカウントを作成し、積極的に緊急情報を発信しました。今後想定される自然災害等の事態に際し、どのような取り組みを都政で推進すべきだとお考えですか? 最も近いものをお選びください。 Twitterやfacebookなど、民間のソーシャルメディアを活用した方策を取り入れたい。 選択理由 上記と同じ理由で、積極的に民間のサービスを導入していきたい。そもそも誰でも無料で使え、そこにあるサービスを活用しない理由がない。もしそれが行政という観点から信頼性に欠けるというのであれば、そうしたサービスをより信頼しうるものに改善するための支援協力を積極的に進めたい。 近年国内外の都市で、行政の有する様々な情報をデジタル化し積極的に公開したうえで、防災や交通など都市が抱える難問に対応する公共情報サービス等を開発するコンテストを開き、民間のアイディアを募って新たな解決手法を探る例があります。このような施策を東京都でもより一層取り入れるべきだと思いますか? 積極的に行政が持つ情報を公開し、民間とのコラボレーションを推進すべきである。 選択理由 「あるものを死蔵するくらいならどんどんつかえ」を方針に据えて、可能な限り公開を進めたい。上記のように都庁の事務をすべてオンライン化する計画であるから、当然それらに用いられる資料もまたオンライン化されることになる。行政の目的、法の制限のない限り、都庁の情報資産は都民のものであるのだから、可能な限り利用制限のない形で提供していきたいと考えている。 ICT政策全般について 上記以外で、東京都として取り組むべきと考えるICTを活用した新しい施策をお考えでしたら、下記にご記載ください。またインターネットユーザーへのメッセージなどございましたら合わせてご記載ください。 都庁が率先して、行政のオンライン化の先頭を走り、規模の大きな都がオンライン行政、テレワークのモデルとなることで、民間にもそうした運営方式が普及することを推進したい。通勤電車が空き、道路の渋滞が緩和し、都心の昼間人口が適正水準にまで減り、逆に昼間人口が希薄だった住宅地に多くの青年・壮年層がとどまることで、生活のゆとりの向上、地域経済の活性化、福祉介護問題の解決につながるよう努力していきたいと考えている。 以上。