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無教養音楽批評

* クラシック編その2 *

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* 村治佳織「Sinfonia」VICC-186.
    「おいおい、また村治かよ?お前ファンなんじゃないか?」と思われた諸兄もいらっしゃるかとおもいますが、偶然です(笑)。このCDは、中古CD屋のポップスの棚にありました。ケースだけみるとそう見えるよね。ギター曲は深夜や朝に他の部屋に響かずに静かに聞けるので、まあ、あってもいいよね、ってな感じで買いました。が、いいです。愛聴盤になってます。これでイケたので、前の「Green Sleeves」もいけるようになりました。ああ、ハマったのでしょうか。「お前ファンなんじゃないか?」いいえ、違います(笑)。



* J. S. Bach, Organ Works of J. S. Bach, Vol.1,3,5. (Jean Guillou, Nortre-Dome des Neiges, France, DOR-90111 / Tonhalle, Zuerich, DOR-90150, DOR-90152)
    オーディオマニア必携のバッハオルガン曲。理由は20Hzの低音が再生できるかどうかチェックできるから。でもうちの小さなスピーカーでは全然でてないよ。60Hzぐらいかなぁ、せいぜい。数多あるバッハオルガン曲集のなかから、オーディオマニアな私が選ぶのは「ドリヤンレコード」(笑)知ってる人なら知ってるHi-Fiメーカーなんだ。最初Vol.1だけ買って、演奏者のギリューというおじさんのあまりにも独創的過ぎるヘアスタイルに参ってしまった。凄いよ。レコード屋で探してみてみる価値あり。さすがフランスの芸術家って感じ。演奏も個性的。ドイツの演奏家がおしなべて正確にリズムキープしてるのに対して、このギリューはハズしてます。意図的かつ個性的にそうしているのか...。フランスは謎である。

    あ、言うまでもないけどバッハのオルガンはいいよ。からみあう透明な旋律にアルファ波出まくりになります。



* Salzburg Recital, Kathleen Battle and James Levine, POCG-1112.
    ヘアスタイルという点では、まえの「その1」でも指摘したちょっとアフロ入ってるレヴァン。ピアノを弾くとはこのCDで知りました。ザルツブルグでのライブ録音なんだけど、ザルツブルグって「塩街」って意味なのかな。ちょろちょろと聴いていますが、あまり印象に残らない。なぜだろう、なぜかしら?まえのバッハのアリア集の方がいいぞ。頑張れバトル姉さん。



* G. Faure', Piano Quartets, (Emanuel Ax, Issac Stern, Jaime Laredo, Yo-Yo Ma, SK48066).
    私が一押ししているフォーレのピアノ四重奏。相変わらず上品な味わいで遅い午後にお茶など飲みつつ聴くのによし。でも、そんなに印象に残らない。まえの「その1」で紹介した「イヤミ」プラッソン盤の方が全体として心に残るぞ。あっちの方が録音悪いのに。あ、このピアノ四重奏にはヨーヨーマが参加してます。多分若い頃だろうな。写真が若い。



* G. Faure', Orchestral Works, (B.S.O, Seiji Ozawa, FOOG 27074).
    フォーレの管弦楽曲集。私のところではすでに3枚め。同じ曲のCDを3枚買っているのはフォーレだけ。中古屋で出ていたので、録音の違いについて比較するのにいいかな、と買いました。普通音楽好きの人は、指揮者やオーケストラの違いを聴きたくて同じ曲をいろいろ買うそうですが、わたしは録音。感想ですが、どうもデッカ盤の録音が一番いいようです。グラモフォン盤は奥行きや広がりでデッカ盤に負けてます。マニアな人はデッカ盤かそれと同じらしいロンドン盤の輸入盤を買いましょう。



* F. Schubert, The Trout, (Andras Schiff, Hagen Quartet, Alois Posch, DECCA 411 975-2).
    サントリーのウーロン茶のCMで有名なシューベルトの「ます」です。恥ずかしながらCMの曲だと気が付いたのは、聴いたあと。「デッカ盤の録音がいいぞ」といったすぐ後ですが、このデッカ盤の「ます」も優秀録音です。自分の部屋でちょっと大きめの音量で聞くとすごーくリアル。聴いてて楽しいです。曲も明るくていいよね。勢いがつきます。



* W. A. Morzart, Symphonies No.31, No.35, No.39, No.40, No.41, (W.P.O., James Levine, POCG-9629/30).
    さーて、またまたアフロなレヴァンです。ハフナー(No.35)は持ってたし、録音もおんなじだったけど、2枚組みでジュピター(No.41)まで入っていたので買いました。ジュピターといえば「沈黙の艦隊」で海江田艦長(だっけ)が潜水艦の中でガンガン鳴らしまくっていたので有名な曲。それに引っ掛かって買ったおじさんもいたかもね。しかし、このころの交響曲って、太鼓がドンダカドンダカ鳴りまくってるなあ、というのが感想。でも全体的に好きですよモーツアルト。昼間の眠くなった午後に気合入れにいいです。



* W. A. Morzart, Symphonies No.29, No.34 (W.P.O., James Levine, POCG-1213).
    またレヴァン。このCDのジャケットははっきり言って無気味。モーツアルトの肖像の目ん玉が異常にでかいのと、レヴァンがこちらにガン付けているので怖いです。なんでこれ買ったかというと、No.29がすきだぁ、という方からメールいただいたからです。聴いてみました。いいですねぇ。でも、私の印象では数多のモーツアルト交響曲の一つとしてしか把握できませんでした。キャッチーじゃないんだよね。もう少し人生経験を積むといろいろ見えてくるかもしれない。



* L. V. Beethoven, Symphony No.6, (W.P.O., Claudio Abbado, 419-779-2).
    ついに出ました、ベートーベン!! なんかあんまりベートーベンなので聴かないようにしていたのですが、聴いてもいいかなぁと、中古屋で買いました。このCD買って初めてベートーベンがルードヴィッヒという名前だと知りました(笑)。素人さんにも大丈夫なNo.6「田園」。でも聴いてて思ったのだけど、そんなにいいかぁ?退屈だぞ。同じ主題が繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し...。私は途中で「もう、いいかげんにしなさいっ!」と突っ込みを入れたくなります。そういうせっかちな私には、偉大なベートーベンの偉大なところがわかっちゃいないのでしょう。



* L. V. Beethoven, Piano Sonata, (Daniel Barenboim, 419 602-2).
    またベートーベン。前の「田園」と一緒に中古屋で買いました。こっちの方がいけてます。しかし、ピアノの曲を聴いててまるっきり「第九」と同じフレーズが何度も聞こえてきたので、「あれ?第九って入ってたっけ」と確認したほどパクってます。ベートーベンのお気に入りの主題だったんだね、きっと。自分の曲からパクっているのだから問題なし。

    そう言えば、フリッパーズギターや小沢君がどのような曲からパクっているかという本を貸してもらって、そのネタCD(Aztec Camera / Style Council)も貸してもらいました。パクってますね。でも、いいんじゃないかなぁ。複製時代の芸術なんだし。芸術家はやりたいことをやりたいようにやらないと。



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to Critique 白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp