----------- * -----------

無教養音楽批評

* クラシック編その4 *

----------- * -----------

* Franz Schubert, Symphony No.8 in B minor, D.759, Symphony No.6 in C, D.589 (Frnas Brueggen, Orchestra of the 18th Century, Phillips 442 117-2)
    シューベルトの「未完成」です。名曲だということで買いました。指揮者はブリュッゲン。さわやかな演奏を期待してました。が、この「未完成」という曲なんだか変です。二つの主題の間の調子が違いすぎませんか?18世紀オーケストラの演奏は若々しくて勢い良いのですけど、打楽器がドンタカドンタカうるさいです。うーん。これは外したかも。もうすこし落ち着いた演奏だったら印象変わったかもね。



* Music of the English Renaissance (Atkins Ale, The Baltimore Consort, Drian DOR-90142)
    国立の中古CD屋で買いました。論文執筆の研究のために、この時代を通り抜けたせいでルネサンス期のイギリスに興味があるのですが、このCDはそうした私の趣味にぴったり。録音もドリアンらしく優秀。軽快で明るい曲調ですし、女性ボーカルも伸びやかでよろしいです。季節を問わず、明るい日差しの午後に聞くのに大変好適です。古典英文学を読みながらだと、ますます雰囲気でます。



* W. A. Morzart, Requiem, K.626 (Robert Shaw, Atlanta Symphony Orchestra & Chorus, TELARC CD-80128)
    モーツアルトのレクイエム。国立の中古CD屋で購入。これを買おうと思った動機は、カラヤンの「アダージョ 2」(笑)にレクイエムから一曲入っていて(たしか DIES IRAE だったとおもうけど)、これが低域の勢いバリバリでカッコ良かったからです。でも、このテラーク盤をいくら聴いても、同じ曲が出てきません。私の勘違いか。だれか「アダージョ 2」に入っていたモーツアルトの曲の正しい曲名を教えてください。

    さて、曲の中身。いいですよ、これ。キリスト教徒ではない私でも「贖罪と救済」とか「神の恩寵」とか、ちょっとだけ考えてしまいます。KYRIE なんて凄い。キリスト教の総合メディア戦略の素晴らしさを痛感させられます。仏教や神道もがんばれ。



* J. S. Bach, 4 Orchestral Suits, (Philip Pickett, New London Consort, L'oiseau-Lyre 542-000-2).
    またまたバッハ。カラヤン指揮盤で2番と3番だけ持っていたので、もう少し新しい録音のもの、ということで1-4番全部揃った2枚組を買いました。ああ、鮮明で軽快。60年代録音から90年代録音までの30年間の技術の進歩を痛感させられます。が、曲の印象という点では、どっちが良いかは別の問題。こちらの録音が鮮明なせいか、どうもアリアの荘厳さが足りません。カラヤン盤のほうが好みかも。Hi-Fiと音楽的感動は別の物であることを確認しました。



* F. Mendelssohn Bartholdy, A Midsummer Night's Dream (Frans Brueggen, Orchestra of the 18th Century, Glossa GCD 921101)
    さて、メンデルスゾーンの超有名曲「真夏の夜の夢」。真夏といっても、実際には「夏至の夜」の話らしいです。このゲルマン民族の「夏至祭」の話として、18世紀に書かれた文献では「森に出かけた乙女たちのなかで、処女のまま帰ってくる者はほとんどいなかった」とされています。おおらかですねぇ。Hを禁忌するようになったのは、いつ頃からなんでしょうか。Hが駄目なら人類滅亡。

    さて、演奏。すばらしい!!!18世紀オーケストラの勢いの良い演奏が、曲想と見事にマッチしていて、みずみずしく若々しい感じが良く出てます。強くお勧めします。



* P. I. Tchaikovsky, Piano Concerto No.1, S. Rachmaninov, Piano Concerto No.2 (Victoria Postnikova, Cristina Ortiz, DECCA 448 221-2)
    チャイコフスキーとラフマニノフ。とってもロシアです。「おい、おまえロシア系は駄目なんじゃなかったのか?」と突っ込みが入る様子が目に浮かびます。が、宗旨変えしました。ロシアもOKです。チャイコフスキーのP.C. No.1は、超有名曲で聴き始めた瞬間に「ああ、この曲ねぇ」と誰でも思い出すはずです。雄大なロシアの大地が眼前に広がるようです(って行ったこと無いけど)。ラフマニノフも暗くていいです。人間明るいばっかりが能じゃありませんからね。



* Jean Sibelius, Lemminkaeinen Legends & Tapiola, (Leif Segerstam, Helsinki Philharmonic Orchestra, ONDINE ODE 852-2)
    初の登場シベリウス。カラヤンの「アダージョ」でちょっとだけ聴いていたので、中古CD屋で買ってみました。これはすごい。一音目の金管楽器の一発で、いきなり部屋の温度がキーンと下がるようです。もう、どこを聴いても凍てつく大地、低く唸る風、凍り付いた湖が眼前に展開します(って見たこと無いけど)。これはもう天才の仕事としか言いようがないです。

    ただ、そういう凍りついた北の大地が好きかといわれれば、そうでもないので、愛聴盤にはなり難いですねぇ。技術的なことをいえば、録音も演奏も優秀だと思います。



* Fre'de'ric Chopin, Concerto for Piano and Orchestra no.2 in F minor, 24 Preludes (Maria Joao Pires, Andre' Previn, R.P.O., DG 437 817-2)
    ショパンの「24のプレリュード」を聴きたくて、国立の中古CD屋で買ったもの。ショパンというと私は冬の雨の日に聴きたくなります。「雨だれ」の印象が強いせいでしょうか。

    「雨だれ」というと、いまでも覚えているのがNHKの小学校低学年向け理科教育番組の「あめ」の回でこの曲が掛かっていたこと。いまから24年以上前の話です。幼少の頃に何を見ていたのか、聴いていたのかが、いかに後々まで影響を与えているか、という好例ですね。



* Gabriel Faule', Piano Quintet No.1 in D minor, op.89, Piano Quartet No.1 in C minor, op.15 (Pascal Roge' & Quatuor Ysaye, DECCA 455 149-2)
    さあ、またフォーレ。ロジェのピアノとイザイの弦だということで期待して買いました。大当たり。これは良いです。これまた繊細にして上品。それでいて力感もあります。録音も優秀。



* W. A. Mozart, Die Zauberfloete (Highlights), (Sir Charles Mackerras, Scottish Chamber Orchestra & Chorus, TELARC CD-80345)
    モーツアルトのオペラといえば「魔笛」ということで、中古屋に出ていたので買いました。録音は良好で、良く分離しているのですが、どうも音が遠いです。そういう録音を目指したのでしょう。このCDでは、効果音として雷鳴と猛獣の唸声が収められているのですが、こちらがあまりにリアルかつ大音量なので、遠い舞台の歌声とアンバランスに感じます。とくに猛獣の唸声のレベルが高すぎてびっくりしてしまいます。



*Yo-yo Ma, Soul of the TANGO, The Music of Astor Piazzolla.
    ヨーヨーマの奏でるタンゴ。ちなみにピアソラという人はアルゼンチン・タンゴの神様みたいな人らしい。一曲目が洋酒のCMに使われている曲ですが、すっごく情熱的です。

    タンゴもいいですねぇ。社交ダンスを学生時代にやっておけば良かった。でも、芸術的かつ実験的な印象の曲もありますから、人によっては合わないかも。

    ちょうどこのCDを買った日に真空管式アンプのキットを購入しました。それで完成して最初に掛けた曲がこのCD。真空管式アンプの熱くて濃い音とタンゴがぴったりマッチしてとっても良かったですよ。製作記事はこちら。



----------- * -----------

to Critique 白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp