NOTE

情報・メディア関係法 I, II

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●授業の要旨

情報技術が重要な社会基盤の一つとなってすでに30年近くたった。こうしたなか、これまで法律学のテーマとしては直接的に取り扱われなかった「情報」に関する一定の法領域が注目を集めるようになっている。こうした「情報法」として括られる領域には、複数の法領域が少しずつ関係しており、範囲がひろいものとなっている。また、論者によって対象としている領域に差があるのも事実である。このため本講義では、基本的な視点から「情報」と「法」の関わりについて解説し、それらの法領域に取り組む際の基本的視座を定めることを目的とする。

正解のない問題に対して、さまざまな観点からアプローチする「手法」を学んでほしい。

●成績評価の方法

出席点および前期・後期の期末試験によって評価する。加えて、私のミスを指摘したり不備を補った受講者には、積極的に加点する。

●テキスト・参考書

テキストは通年の配布物および出席票をまとめた「情報法テキスト」をもちいる。入手先および購入方法については、ガイダンス時に指示する。出席票はテキスト付属のものしか受け付けないので、テキストを購入しない学生に出席点は配分されない。

参考書: ローレンス・レッシグ『CODE』『コモンズ』(翔泳社)
参考サイト: 白田秀彰の『インターネットの法と慣習』(HotWired Japan)

●受講上の注意事項

なお、学校に対する履修登録に加えて、この講義に対する履修登録をWeb上で行ってもらう。講義中に指示された方法で履修登録することが受講の条件となる。

2004年以降、セメスター制が導入されたことから、前期(I)、後期(II)別課目として、別々に履修することが可能である。とはいえ、可能であれば、前期・後期を連続して履修することが望ましい。

●授業計画

前期 (I)

  • 情報法の現在
    「情報法」という学問は何を問題としているのか?情報法という領域の成立史と現状について紹介する。

  • 情報と情報化社会
    法律学とかかわる情報概念について検討する。また、文明史と未来学の見解をもとに、現在の社会とこれからの社会について検討する。

  • 情報技術 / 法と経済学
    講義の内容を理解するために必要な限りで、コンピュータやネットワークの動作原理を説明する。また、それらの技術がもつ法学的意味について説明する。

    人間関係と社会秩序の学問としての経済学と法律学の異同について概観し、経済学の考え方を法律学に応用する手法について紹介する。

  • ネットワークと刑事法
    犯罪白書やマスコミでのネットワーク関連犯罪の取り上げ方を検討し、無法地帯と思われがちなネットワーク世界での法執行について概観する。

  • 言論表現の自由
    情報化が言論の自由に寄与するために、いかにあるべきか。議会制民主主義政体における言論表現の自由の重要性について解説し、情報技術の発展にともない基礎条件がどのように変化しつつあるかを検討する。

  • 猥褻と社会と法
    生命体としての私たちの重要問題である生殖が猥褻概念と結合し、なぜ社会秩序において抑圧されるのか。情報社会において私たちは何を抑圧すべき表現として認識するのか。

後期 (II)

  • 情報公開 / 公文書管理
    議会制民主主義政体における情報公開の重要性を説明し、積極的に政府関連情報を取得するための制度について紹介する。また、情報公開の前提となる公文書の管理について、その理念や手法について紹介する。

  • 個人情報保護
    個人情報保護とは、その始まりにおいて、また現在においてどのような概念なのか。個人情報保護の仕組みと枠組みを概観する。

  • プライバシー
    プライバシーとは、その始まりにおいて、また現在においてどのような概念なのか。情報社会におけるプライバシー概念はどのように変化するか検討する。

  • 放送規制 / 通信規制
    放送事業や通信事業はどのような性質を理由として、法的規制のもとにあるのか。情報社会においてどのように基礎条件が変化し、規制内容が変化するのだろうか。

  • 知的財産権とくに著作権
    知的財産権とは、その始まりにおいて、また現在においてどのような概念なのか。情報社会において知的財産権はどのようにはたらくのか。情報技術の発展に伴い、制度の基礎条件が変化しつつある様子を解説する。

    参考図書

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