私のオーディオのページにたびたび登場する「芦澤さん」とはどんな人で、どんなシステムを使っているのか?という疑問にこたえましょう。2000年1月にお部屋にお邪魔したときに写真を撮影してきましたので、紹介します。ご本人の姿はとうぜん「ヒミツ」。どうしてもみたい人はFaradayのミーティングに顔を出してね。 左の写真は芦澤さんがいつも作業している机です。ほんとは机ではなく単純な形の整理棚なんですね。その上にゴムマットを敷いたものが作業机というわけです。彼はビニールのプチプチ(梱包物のクッションとして使う「あれ」。潰して遊ぶやつ)をたたんだものを座布団にして、その前に座り一心不乱に半田鏝を揮うわけです。 もう一つ、芦澤さんの作業に欠かせないものは、シャーシやらの穴あけの台として、またちょっとした副作業台として、そしてまた椅子代わりとして使う穴だらけの箱があるのですが、ここでは写っていません。
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作業机の右手には部品などを収納しておく整理引出があります。中には電子部品がびっしり入っています。秋葉原で店が開けそう。ちょっとした部品が不足しても秋葉原に出かけなければならないため、秋葉原に出かけたときに彼はまとめ買いをするわけですね。このため、秋葉原に出かけるたびに少しずつ部品が溜まっていくわけ。まあ、自作派なら当然の行動でしょう。 私はあまり頻繁に自作をしないので、部品を買いだめするようなことはありません。それでも道具箱には結構電子部品があるような...。 「絵的に面白いものはありませんか」とリクエストすると、「こんなのどお?」ということで出てきました。芦澤さんの「ボリューム (アッテネータ) コレクション」。写真では良く分からないのですが、これら全部違う品なのです。彼は以前にボリュームの音の違いを確認するため、秋葉原で手に入るボリュームを安物から高額品まで買い込んできて全部試した、というほど気合の入ってる人です。彼の作るアンプはそうした部品の一つ一つまで音の傾向を確認して吟味し尽くされた逸品なんですな。
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私が訪問した日の芦澤さんのシステム。スピーカーもアンプもどんどん作ってしまう彼には確定した「メインシステム」はないわけです。だから写真のシステムも暫定的なもの。いかにも自作っぽいスピーカーやらアンプと思しきもの、そして後ろ向きになっている市販アンプが写っているだけに見えますが、それぞれさまざまな「技」が駆使されているのです。その技の数々のいくつかは伝授していただいているのですが、ここで紹介すると面倒くさいので紹介しません。 細めのケーブルが無造作に配線されているのが目に付くかと思います。芦澤さんは極太超高価オーディオケーブルは使いません。というか、散々ケーブルやらシステムやらに金をつぎ込んだあげくに止めちゃったらしいのです。最近は「ケーブルに物理的ストレスを与えない方が音が素直になる」仮説を確認すべく、細いケーブルを「ゆったりと自然なカーブで配線すること」に留意しています。というわけで、こういう状態になるわけね。足を引っかけないようにしないと。
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芦澤さんの2000年1月のサブシステム。すぐに目に付くのが球体エンクロージャーのスピーカーです。さて、CDPはMarantz CD-46。ヨドバシで1万円未満で売られていた最低価格帯のCDPです。内部構造が単純で、改造に失敗してもイタくない値段ということで、改造ベースとしてFaradayで広く使われています。私も研究室で使っているものです。 CDPの上にMDFの板を噛ませて乗せてあるプリアンプは、いま彼が取り組んでいる研究テーマ。でも見栄えは悪いですよね。これがだんだん「カッコよく」みえてくるから不思議です。 パワーは三栄無線のKT-88のキット改造品。彼は電気的特性完璧を前提に音のニュアンスを追求する主義なので、当然「石派」ということになりますが、この頃「OpAmpプリと球パワーの組み合わせが好ましい音がする」と評価する客が何人かいたため、芦澤さんはいろいろと思案中です。
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球体スピーカーについて。ユニットはFostex FE-83。私のところのサブシステムでも使っているものです。ステンレス製のボウルを二つ組み合わせると球体が簡単に作れるわけですね。容量はおおよそ3リットルだそうです。密閉型。金属なので当然そのままでは鳴きますので、なにかうまい方法で鳴き止めしてあるのでしょう。金属臭い共鳴は感じられません。 球体スピーカーは、不思議なことに二等辺三角形の中にあるリスニング・ポジションからずれた位置で聴いても音像が偏りにくいという特徴を持っているようです。また、我が家の2.5リットルのバスレフ箱に比較しても豊かなこなれた鳴り方をします。さすがですね。 でも、うちの奥さんに写真を見せたところ「うわ、鬼太郎の目玉オヤジみたい。夢にでそう」という評価で散々でした。また芦澤さんのシステムの写真を見せたところ「こういうシステムが家にあると嫌だわぁ」といってましたので、彼の美意識は、女性の感性にはまったくアピールするところがないようです。兄貴ィ! 女性向システムを開発するときにはデザインも大事ですぜ!
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