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矛盾へのチャレンジ...それは男のロマン

ピュア・オーディオ界において、PCは忌み嫌われている。デジタルノイズを空中のみならず電源ラインに撒き散らすし、ファンの騒音もひどい。静音対策済みPCといっても、全体として25dB以下の騒音にすることなんてほとんど無理だろう。だって、たったファン1個でも高価な静音型を使わないと騒音25dBにはならないんだから。CD Playerの動作ノイズにも神経を尖らせるピュア・オーディオファンとPCマニアはなかなか仲良くなれない。

まして、PCをオーディオに使おうなんていうと、オーディオ・マニアからは「バカじゃないの? ちゃんとしたコンポをつかいなよ」と言われ、PCマニアからは「そこそこのサウンドカードに、そこそこのスピーカーをつなげばいいんだよ」とたしなめられる。しかし、だからこそやりがいがあるんではないだろうか?

というわけで、あえて邪道に走ってみることにしました。

うちの奥さんのPCのHDDが吹っ飛んだあと、テレビ受信・録画可能な新しいPCを奥さん用にあつらえました。そこで、私のLEOにつないで使っていたムサビーを奥さんのPCの音声用に使用することにしました。で、奥さんのPCの音が良くなったので、わたしのもさらに良くしたくなってきました。

そこで、まずスピーカーの調達から。設置場所が液晶ディスプレイの後ろの窓の桟ですので、大型のキャビネットは使えません。そこで、我が家のテレビ用オーディオでも実績のある木下無線のなんとか松無垢板キャビネットが復活していたので、これを購入しました。これに手持ちのAUDAX 8cm フルレンジ (というかミッド)を取り付けてスピーカーはとりあえずOKということに。今から考えると、コイズミで売ってるアルミコーンの8cmフルレンジのほうがよかったかも。

Desktop
Onkyo SE-80PCI
Onkyo SE-80PCI
さて、もともとLEOにはヤマハのチップを積んだ YMFなんとかかんとかというサウンドカードが乗っていました。もう無くなってしまった国分寺のパーツ屋で3000円くらいで購入したバルク品だったと思います。これに新たにつくった毎度おなじみTDA1552QをつかったPC内蔵型アンプ(回路図はこちら)をさらっと製作します。薄型アルミケースに組み付けて、スピーカー端子がPCIスロットのブラケット位置にズラッと並ぶように作成しました。PCケースを通常のアンプ筐体と同じように使うためです。

ところが、新しいアンプと新しいスピーカーでこのYMFなんとかを聞いてみると、えらくノイズが耳につく。さらにWindows 2000との相性の問題か、なにか操作するたびにザラッザラッとノイズが入る。一応、シールド対策なんかもしてみたが、改善の様子はない。こりゃダメだ。

そこでカタログスペックで表示されていた 「S/N比 110dB!!」にひかれて、さらには1万円でお釣りの来るその値段にひかれて、そしてまあ オンキヨーだから一応オーディオ的に配慮してあるんだろうな、ということで SE-80PCIを買ってみました。

あとから、サウンドカード関係の掲示板なんか見ますと、SE-80PCIは入出力関係が貧弱だとかドライバがダメだとか書かれてまして、それほど評判のいいカードではなかったことを知りました。とはいえ、私はLEOではステレオ再生専用ですので5.1chとか関係ありません。確かにドライバはダメですなぁ。オンキヨーも本気でこの分野で生きるつもりなら、ドライバの完成度をもっと上げないとダメですよ。でもカードに乗ってる部品なんか見ますと、改造マニアとしてみれば、弄りがいのありそうな感じで悪くないです。

割とまともな音質のドライバは、ESS Technology からダウンロードするのが良いらしいです。今のところ推薦されているのは1166というバージョン。

さて、写真は、SE-80PCIのノーマル状態の表と裏。けっこう大型のケミコンがいっぱい並んでます。その値はこちら。間違ってる可能性があるのであてにはしないでくださいね。

Back View
ESS [*] やっぱり間違ってるところがあったようです。石巻市の佐藤さんから、誤りがある旨連絡いただきました。私はすでに皮を剥いてしまっていて検証できないので、頂いたデータをそのままここに貼り付けておきます。改造される皆さんは、ご自身で確認してくださいませ。 配置図(gif) 部品表(xls) (2004/Feb/14)

とりあえず、このカードにオーディオ的な弄りを加えていきます。

まず、ボードの点検。心臓部になっているのはESSのチップ。ほんとはPhilipsのチップのほうが音がいいらしいんですけど、なんかいろいろと経緯があってこのチップの採用になったとか。私もPhilipsのチップを積んでてほしかった。

入力、出力付近をみますと、どう見ても外部とのカップリング用のコンデンサがついてまして、入出力オペアンプがそれに続いています。まずここのコンデンサを弄れば音が変わります。

実際には、一通り組みあがってから交換したのですが、私は出力側の電解コンデンサをニチコン MUSE(黒)に置き換えてみました。同じ定格でぎりぎり基板に収まります。音質については、ノーマルよりも広がりが出たように思いますが、密度感はすこし薄くなるような感じでした。他の種類のコンデンサの乗せ替え報告なんか下さると嬉しいです。

あと、クロック発振用クリスタルも見えますね。SE-80PCIでは、CD-ROMからのデータをデジタルで受け取ってボード上でD/A変換やってますので、このクリスタルの精度を上げることでPC全体の音質の向上が狙えるはずです。

オペアンプ部の拡大写真。JRC 4565という型番が見えます。で、手持ちにBurr Browm OPA2134が二つ余ってるんで、これを付け替えようかと思いましたが、まだ先延ばししています。どうせやるなら、アナログ段別給電という荒業と組み合わせようかと思ってまして。すなわち、D/A変換後のアナログ増幅やってる部分だけ、PCからのスイッチング電源ではなく、別系統のコンデンサ/レギュレータ平滑電源で給電しようということです。理屈の上からは、デジタルノイズの影響がへって滑らかな音質になるはず。

OP Amp / analog
さて、そうした大技の前にまず小技。とりあえず電解コンデンサの皮でも剥くか。値はメモってあるし。それでもってシリコンチップの上にアルミ箔テープ、銅箔テープの重ね貼りは基本でしょう。

というわけでやりました。

もう、これで返品も修理も不可ということになりました。さあ、あとは自己責任の世界へレッツ・ゴー!

次にPC内部の電磁波からの悪影響を減少させる技へ。とりあえず、PCケース内部のあらゆるケーブルを捻ります。余ってるDC給電ケーブルはできる限りサウンドカードから遠いところへ。あと、サウンドカード自体も、ボードの一番すみにあるPCIスロットに挿したほうがいいんだそうです。

続いて、カード自体のシールド。手持ちのステンレス版(磁気遮蔽)、アルミ箔テープ(高周波遮蔽)、銅版(低周波遮蔽)を三枚組み合わせて、シールド版を作ります。シールドはPCIブラケットの付近でアースします。けっこう重くなったので、カードに悪影響がでないか心配。あ、もちろん、カード自体との間には、安全な絶縁体を挟んでくださいね。

裏側からみるとこんな感じ。さ、取り付けて音出しです。お...これは、さすが! ノイズぜんぜん聞こえません。マウスやキーボードを操作してもまったくノイズが乗らない。しかーし、HDDへのアクセスが頻繁に起きると、音声にノイズが入ったり、音が途切れたりする。おそらく、デジタルで音声データを転送しているので、HDDからのデータを転送している最中には、転送待ちの状態になってしまうんでしょう。でも、そういうのってドライバの作りこみでどうにかなるんじゃないかな。

音質も、これまでのPCの音声とはまったくグレードが違います。下手なミニコンポよりもはるかにマシかも。広がりと奥行きがでてます。うん。これならもう少しがんばれば、ピュア・オーディオの人にも聞かせられるものになるかも。

Sealed
Sealed それで次にやるべきことは、機械的な騒音対策。すでにスマートドライブによるHDDの騒音低減はやってましたし、CPUファンの代わりに巨大ヒートシンクをつけることによるファンレスドライブは2年目。あとは、電源と、ケースファンの静音化です。そこで、1個2500円もする超静音型8cmファンを2個購入。電源ファンもケースファンもこの静音型に交換。するとグッと静かになりました。

ところが次に問題になったのは25倍速のCD-ROM (正確にはDVD / CD-Rのコンボ)からのデジタル読み出しに伴うCD-ROMの騒音。ウォーンという感じの騒音がします。ついでに言えばCD-DA再生もちょっと不安定でした。これらについては、まず製造元であるRicohから配布されている最新のファームウェアに入れ替えることが必要。これで、デジタルによるCD-ROM再生が安定します。

さらに、CD-ROMの再生速度の上限を制御するソフトウェアが配布されています。これを使うことで、たとえば「最大8倍速まで」に制限することができるのです。そうすれば、騒音を発しない程度の速度にCD-ROMの回転数を減らすことができます。わたしは8倍速で使っています。

しかし、それでも微妙なノイズがCD-ROMから聞こえてきます。そこで、CD-ROMドライブを取り出して、静音対策です。振動を発生させていると思われる部分にブチルやルソボセインを詰めていきます。放熱を考慮しながら隙間にウレタンを詰めてしまいます。もう、この段階で、CD-ROMドライブも後戻りできない状況に...

3度ほど、不具合があって、CD-ROMをつけたり外したりする羽目になりました。でも、結果的には壊れなかったんでOKということで。これでCD-ROMも相当静かに。日中に窓をあけてPCを使用しているなら、窓の外の街の騒音のほうがうるさいという状態になりました。停止状態から電源スイッチいれても、「あれ?電源はいってるの?」というくらいの音しかしなくなりました。さすがに夜になるとファンの回転音に気がつきますが。

それから、筐体の防振対策も強化しました。しかし、こちらのほうはそれほど顕著な効果が現れませんでした。

Working...
Working... さて、ここまでやってきますと、あとはもう一息。PC内蔵アンプへの独立給電を行います。

まず、都心に出かけたついでに秋葉原へ。100V <-> 12V ニ系統のトランスを購入してきます。600mAニ系統のものを選択。なぜニ系統かといえば、オペアンプは、+−のニ電源を必要とするからです。いずれ、アナログ部への独立給電をしようと計画しているわけですね。回路は、トランスで減電圧、ショットキーバリア・ダイオードで全波整流、コンデンサ平滑、三端子レギュレータによる安定化という流れで構成されています。とりあえず、+側だけ使える状態にして、+12Vを作ります。テスタで測ったら12.2Vでピタリと安定。この+12VをTDA1552Qへ。

この段階でよくよく考えれば、TDA1552Qで構成されたアンプは、単にPCの筐体に入っているというだけで、電気的には独立したアンプを外付けしたのとおんなじことになってるんです(^^; 。それなら、外付けアンプにするほうがよほど簡単で音質的に有利なはず... ま、いいや。

トランスと独立電源回路を木の板に固定し、PCの電源とは独立したACケーブルでAC100Vへ接続。

当初の計画では、12Vで動作するリレーを用いることで、PCの電源のON/OFFに連動して、このアンプの電源もON/OFFするつもりでした。しかし、ずーっとON状態でリレーを使うことはあまり宜しいことではないということをオムロンのHPからダウンロードしてきたデータシートで知りまして、断念しました。私のPCの使い方ですと、17時間くらいつけっぱなしというのが当たり前だからです。それなら、もうアンプの電源は入れっぱなしのほうがいいかもしれない、ということで、アンプの電源は常時ONということになりました。環境に悪いですなぁ。

さて、音だし。おお! アンプだけでも電源をPCのノイズだらけの電源から切り離すと音に奥行きと立体感が出ます。うむ。よしよし。いずれ、SE-80PCIのオペアンプへもこの電源から給電してやろう。とりあえず、今回の改造はここまで。もっとすごい改造については、こちらのページで紹介されてます。そうか、ファンにコンデンサをかませるといいんだな。手持ちのものがあるから取りあえずつけてみるか...

Power Supply

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