履歴書 |
小論集 私が過去にfj.*に向けて書いた記事の中で、エッセイとしてのまとまりがあるものを抜粋して掲載することにしました。今後、もし時間が取れれば書き下ろしも増やしていきたいと思っています。 |
ネット・ベンチャーにおける法的コスト, 一橋論叢, 128巻4号, 2002年10月
ある初夏の午後、「商学部の特集号に、e-コマースについての法律学的な視点からの論文を書きなさい」という依頼がきました。「商法についてド素人の私になんで?」「e-コマースについてもほとんど知らないのに...(泣)」と思いました。私が「情報法」なんて講義をしてて、さらに自分のWebページなんか構えていたためでしょうか。しかし、断れない人からの依頼だったので「これって、学部学生さん向けの啓蒙的な内容でいいんですよね?」「ほんとに、ほんとにいいんですよね?」と念を押しながら引き受けました。その結果がこれです。 |
情報時代における言論・表現の自由, 青空文庫, 2002年10月13日 2001年には「情報法」の冒頭がゴチャゴチャしていたので、「グリゴリの捕縛」を書きました。で、2002年には「情報法」の前期の後半がゴチャゴチャしていたので、これを執筆。イマイチまとまりのなかった講義を聴いてくれた学生さんに捧げます。某巨大匿名掲示板の是非をめぐって議論が起こったり、裁判になったりするなかで「言論・表現の自由」が取り上げられるんですけど、基本的な理屈とか理由付けを知らないまま語っている人が多いのも、このテーマを選んだ理由です。
毎年思うのですが、毎年、毎年同じことを話すのって苦痛ですよね。学生さんたちは初めて聴く話でしょうけど、こっちは基本的に同じ話を繰り返しているのです。で、恐ろしいことに以前やっていたことをだんだん忘れていくんですよ。私の記憶力って「トコロテン」みたいなもんなんですな。で、講義の基本的な部分は、こうして文章にしていって講義の時に「読め!」とか言って済ませてしまって、先の議論に進みたいと思ってたりします。 | ![PDF Download](./gif/pdf.gif) |
著作権関連 8項目, 北川 高嗣 他編, 情報学事典, 弘文堂, 2002年6月
事典の項目執筆。限られた字数に内容を盛り込むのは、あまり好きな作業ではありません。これは、もう何年も前に依頼されて執筆し、そのまま忘れていたころに出版されたもの。項目書いたら一冊くらいもらえるかな?と思っていたら、さすがに18000円もする本はくれないみたい。著者割引の案内だけが送られてきました。
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文化不況, 某総合研究所にて2001年10月頃発表, 2002年3月26日公開 また、以前に書いたものの年度末棚卸し。HDDの片隅から発見しました。某総合研究所の「地域おこし」を手がけるセクションの方に依頼されて、2001年10月ころにごくごく内輪で発表した論文を公開します。現在の消費不況と地域商店街の衰退を情報流通という視点から分析した(つもり)のもの。内輪の会向けなので、参考文献および論証なし。私の個人的体験のみに基づいてます。 |
サイバー空間の世界観, 朝日新聞夕刊 「ねっとアゴラ」, 2002年3月22日 朝日新聞夕刊のコラム欄「ねっとアゴラ」に私の短い論説が載りました。この記事は1月初旬に依頼されたもので、執筆は数日で終えていました。しかしながら、最初のバージョンが2000字と長かったことと、「文章が硬い」という問題があり、依頼主である矢野氏との間で何度も文章の練り直しをやりました。そればかりが理由ではないのですが、結果的に3月末まで掛かったわけです。最初のバージョンと掲載されたバージョンは、問題意識では共通していますが内容的には随分違ったものになっています。最初のバージョンは「パラレル・ワールドで語る倫理」として小論集においてあります。
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判決文翻訳 Sony Computer Entertainment America. Inc. v. Connectix Corp., 2000 U.S.App. LEXIS 1744., 2002年2月
[注意!!] この判決文翻訳(だと思われるもの)は、2002年2月末日に私がハードディスクを整理していたときに発見したものです。なにかの研究会の資料として用いるために準備したまま、忘れてしまっていたようです。 したがいまして、翻訳の品質については保証の限りではありません。また引用して用いる事も避けてください。 とはいえ、せっかく書いたものですし、学生さんの参考程度にはなるかと思いまして、公開する事にしました。 |
「包括メディア産業法」への私案, in 21世紀型情報化社会への展望, 国際大学Glocom, 2002年3月 「情報法」の通信・放送関連制度についてテキストを改訂するため、通信・放送メディアの展開について文献を読んでました。で、郵便(運輸)、鉄道、出版、通信、放送が歴史的・法的にみて同じボトルネックをもっているという事実に気がつきました。通常、そのボトルネックというのは通行地役権(right of way)なんですけど、情報通信分野において、ある条件下では著作権(copyright)も同じ機能を果たすことにも気がつきました。そのあたりについて解説して、どうすれば円滑な情報流通環境が整備できるかを考えてみました。林 紘一郎先生の「包括メディア産業法の構想」も読んでみてください。 | ![PDF Download](./gif/pdf.gif) |
私家版・プロバイダ責任法についての解説と考察, オンライン・コミュニティへのお年玉, 2002年1月 報道によると、2002年4月から施行されるらしい「プロバイダ責任法」に関する私家版逐条解説。商用プロバイダ管理者だけじゃなくて、電子掲示板を運営しているような個人なんかも広く関わる法律です。2. 逐条解説部分は、かなり細かい法律論をやってるので、3. 解釈上の要点だけでも見てほしいです。なお、わかりやすくて気楽に読める「対話形式バージョン」をAprilFoolさんが作ってくださいました。力作です。感謝感謝。 | ![PDF Download](./gif/pdf.gif) |
山根 信二、辰己 丈夫、白田 秀彰 保険におけるセキュリティ格付け機関についての検討, 2001年10月 コンピュータ セキュリティ シンポジウム にて報告 (報告者 山根 信二)
3月に発表されたネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案に続いて、より具体的にセキュリティ格付け機関の形態などについて議論するモノグラフ。
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グリゴリの捕縛 あるいは 情報時代の憲法について, 青空文庫, 2001年9月 Expand book版 2001年11月 |
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辰己 丈夫、山根 信二、白田 秀彰 ネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案, 2001年3月 情報処理学会 第62回全国大会にて報告 (報告者 山根 信二)
財団法人電気通信普及財団による平成11年度研究調査助成での成果。プライバシー漏洩は完全には防げないということと、プライバシーがいったん漏れた場合には、もはや回収が不可能であることを前提に、個人情報を取り扱う業者に、漏れた場合の補償を行わせることで、プライバシー保護対策を充実させることを狙う。プライバシー保護対策についての格付け機関と保険を導入することを提案。
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告知 |
告知
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レイアウト・フォーマット --- 知恵蔵事件, in 別冊ジュリスト 著作権判例百選, 有斐閣, 2001年4月
法学部の学生なら必ずお世話になる有斐閣の「判例百選シリーズ」。私がここに執筆することになるとは、学部時代には夢にも思いませんでした。担当した事件は、デザイン系の美大の学生さんにも馴染みの深い、レイアウト・フォーマットに関するもの。
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The Origin of Two American Copyright Theories: A Case of the Reception of English Law, The Journal of Arts Management, Law and Society, Vol. 30, No. 3, (Fall 2000, Heldref Publications)英語論文がアメリカの専門雑誌に掲載されました。やったー。掲載のきっかけは、インターネットでの公開。編集の Maryとのやり取りもインターネットのおかげでとっても助かりました。 |
デジタル/ネットワーク時代・著作権の臨界 (改題), 2000年11月30日 国際大学グローコム デジタル著作権研究会 第一回オープン・フォーラムにて報告 |
情報法の背景, 2000年5月12日 一橋大学 法文化構造論にて報告 情報機器の一般化に伴って生じている法的問題を表面的に追いかける結果になりがちな「情報法」を批判し、基礎法学・比較法学としての「情報法」の問題設定と目的について考察したもの。2001年度の「情報法」の導入編として使いまわす予定です。 |
著作権の情報流通技術決定論 仮説, 2000年3月18日 国際日本文化研究センターにて報告 1840年頃に産業規制法としての著作権概念が文化振興法へと転換したことを指摘する発表。文献による論証が不十分なのでまだ公表できません。今年度後半には完成度を上げて雑誌に投稿したいとおもっております。
[愚痴] どうも、この論文はお蔵入りになりそうです。一つ一つ、文献の該当個所を挙げるような地道な作業に費やす時間が取れないため、内容的には問題なくても公開できないのか悩みです。
↑と書きましたが、せっかくやった仕事ですし、学生さんの何らかの参考になるかと思いまして、「脚注ほとんどなし」状態で公開することにしました。もちろん、まともな論文ではありませんから、学術論文への引用はお避け下さい。 むしろ大学院あたりの学生さんが、この論文の内容を引き継いで検証してくれることを希望します。(2002年3月14日)
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倫理問題, in bit別冊「情報セキュリティ」, 共立出版, 2000年1月
また、倫理。私に倫理について語る資格があるとは自分でも思えませんが、書かなければならないこともあるのでもう一度。なんでも「倫理」でことを済ませようとする人たちが多すぎます。
この「倫理問題」の原稿は、下の「コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理」で用いた論文に加筆したものです。重要な部分について加筆したので、ご批判は書籍に掲載されたものに対して行ってください。明大情報科学センター紀要には、私の口述内容が掲載されておりまして、論文は掲載されませんでした。
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もう一つのプライバシーの話 --- 中学生、高校生のためのプライバシー問題へのヒント ---, 青空文庫, 1999年9月 夏の終わりにある研究会に出席しました。そこではプライバシー問題や情報教育の内容に関するざっくばらんな議論が行われました。その議論をするなかで私が考えたことを文章にまとめてみました。通説を問い直す「もう一つの」シリーズ第二弾です。 富田さんにお願いして、こんなに立派な にしていただきました。 | ![PDF Download](./gif/pdf.gif) |
求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題, 社団法人 全国求人情報誌協会, 1999年3月 一昨年から参加していたインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会の最終報告書です。結局、中間報告書は部内扱いになり、これが正式バージョンということになりました。 |
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誰をどのように護るのか --- CDAの目的と効果について, 1999年1月30日, 情報処理学会 電子化知的財産社会基盤研究会にて報告. 情処研報, Vol.99, No.11. ある秋の午後、私に「CDA-2」について報告するように、という依頼が来ました。私が最初の「CDA」に言及する論文を書いたことがあったからのようです。だいたいCDA関係の法律は、冬の声が聞こえる頃 成立し、12月前には違憲立法確認訴訟が提起され、年明けの1月か2月には違憲判決がでる、というパターンで進むので、このCDAがらみの論文はいつも正月をまたいで執筆することになります。私にとっては紅白や第九と近い位置づけになりつつあるので、もう「CDA-3」だの「CDA-4」だのというような法律を作らないように、アメリカ議会にお願いしたいところです。
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コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理, 1998年11月21日, 明治大学情報科学センター情報教育研究会にて報告. |
判例解説 Cubby, Inc. v. CompuServe Inc., 776 F.Supp. 135 (1991), 「アメリカ法」 1998-1, 1998年7月31日 日米法学会の邦語機関紙「アメリカ法」に判例解説が載りました。依頼があったのは、去年のたしか9月ですから、もう一年前です。依頼時に紹介する判例も指定されたのですが、その時点でCubby事件は、すでにあちこちで紹介されてしまっていた判例でした。事務局に問い合わせてみたら「理事会の決定ですから」ということで、そのまま書く事になりました。脚注(1)に掲げられている先行研究の焼き直しになっていることは否定できません。 |
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もう一つの著作権の話 --- 中学生、高校生のための著作権の基礎理論 ---, 青空文庫,1998年7月 青空文庫には、私の論文がいくつか収録されています。呼びかけ人の一人である富田さんの依頼で「著作権の原理と現代著作権理論」を収録することになったのですが、これは、講演原稿なので必ずしも読みやすい内容ではありませんでした。また、青空文庫の掲示板「みずたまり」には、「著作権の原理」を読んだ中学生の方から、「難しい」という書き込みがされていました。そこで、もう少し整理して、わかりやすく書いた「基礎理論」の本を書くことを約束していたのです。私の最初の単行本が出版された記念に、私は「中学生、高校生向けの基礎理論」の本をエキスパンドブック形式で電子出版することにしました。 ボイジャーの野口さんのおかげで、こんなに立派な になりました。 | ![PDF Download](./gif/pdf.gif) |
コピーライトの史的展開 [知的財産研究叢書2],信山社,1998年7月 博士論文の内容が本になりました。私の最初の単行本になります。売り物なので全文公開はできませんが、前半の内容は「コピーライトの史的展開」として、学内雑誌に掲載したものを加筆訂正したものです。だから、こちらをご覧になって、買うに価するものかどうかご判断ください。また全体の要旨は、こちらでご覧になれます。また「はしがき」部分のPDFファイルを準備しました。 |
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アメリカ著作権理論の起源 -- アメリカにおけるイギリス法継受の一事例 --, 報告用 手許資料, 比較法研究 No. 60 (1999) 128. 1998年6月6日 比較法学会第61回総会 英米法部会.京都の同志社大学で行われた比較法学会で発表してきました。内容は博士論文のなかでも「比較法」的観点から面白いと思われた、18世紀末イギリス理論がアメリカに伝播する様子を概説するもの。時間どおりに発表を終えたし、質問にもきちんと答えられたので発表としてはうまくいきました。 |
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求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題 (中間報告書), 社団法人 全国求人情報誌協会, 1998年3月 じつは昨年からインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会に参加していたのです。これはその中間報告書に収録されたもの。就職活動の厳しさはこれから増すばかり。皆様も私も。はぁ...。 |
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著作権の原理と現代著作権理論, 1998年1月31日 比較法史学会関東部会、2月2日 国際大学Glocom にて報告 いろいろとあって、似たような内容で「研究報告などしなさい」と言われたので、今の自分の思うところをぶちまけた報告。 |
英米法系コピーライトに関する歴史的研究, 1997年5月 表題と目次と要旨だけ公開の私の博士論文。5年間を費したバカ長大論文の結末は原稿用紙約1300枚!! 1998年1月7日についに口述試験をやりまして、どうにか博士号を取得することができました。 |
要旨
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情報テクノロジーの進展と法的課題 in 堀部政男・編著, 情報公開・プライバシーの比較法, 日本評論社, 1996年12月 情報公開とプライバシーに関心があり、おまけにお金持ちな貴方のために。 |
アメリカにおけるインターネットへの司法権力の介入: IAJ News, Internet Association of Japan, Vol.3 No.1, 1996年4月 エッチがダメになった背景にはどんな事情があるのか知りたい貴方のために。
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比喩・概念・法 ---仮想空間を切り分けるもの(1)---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年11月 「サイバースペース」とか「スーパーハイウェイ」とかいう言い方の違いのなかになんか意味があるの?という貴方のために。 |
アスペン・サミット オンライン ---ネットワーク時代の政府と共同体の役割---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年10月 アメリカのネットワーク関係団体ってどんなことをしているの?という貴方のために。 |
ハッカー倫理と情報公開・プライバシー:「高度情報化の法体系と社会制度」 科学研究費補助金・重点領域研究報告書, 1995年3月 |
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ネットワーク上の名誉毀損と管理者の責任: レポート, 1994年4月 |
コピーライトの史的展開著作権ってなんだか胡散臭いなと感じている貴方のために。1996年12月をもってイギリス編が完結しました。めでたし。
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法令用語と判例における「情報」: 「情報の瑕疵がもたらす民事上の責任に関する調査研究」 財団法人 比較法研究センター, 1993年6月 情報、情報っていうけど、法律の世界ではどんなふうに把握しているの?という疑問を持つ貴方のために。 |